便利屋は誰でも始められるため、競合が多い仕事です。工夫して経営しなければ、利益を出すのは難しいでしょう。

集客の方法や専門性によっては、便利屋で成功する方法もあります!
この記事では「便利屋はやめとけ」と言われる10個の理由と、便利屋で成功する方法を解説します。ぜひこれを参考にして、地域に必要とされる便利屋を始めましょう。
「便利屋はやめとけ」と言われる10個の理由
「便利屋はやめとけ」と言われるおもな理由は、次の10個です。
- 参入障壁が低く、差別化が難しい
- 客単価が低い
- 集客が難しい
- リピーターを獲得しにくい
- 業務の範囲が幅広い
- 専門性を出しにくい
- ネットで専門家や解決策が簡単に見つかる
- 便利屋のポータルサイトが少ない
- フランチャイズに加盟すると、ロイヤリティがかかる
- 田舎で営業しており、見込み客が少ない
それぞれ解説します。
参入障壁が低く、差別化が難しい
便利屋を開業するのに、特別な資格や技術は必要ありません。誰でも始められるということは、裏を返せば「あなただけの強み」を見つけにくいということ。
例えば、電球交換や家具の組み立てなどの簡単な作業は、多くの便利屋が提供しています。同じサービス内容なら、ユーザーは料金が安い業者を選ぶことになり、価格競争に巻き込まれやすくなります。



便利屋で利益を出し続けるためには、競合と差別化するための戦略的なアプローチが必要不可欠です!
客単価が低い
料金設定は1時間あたり3,000円〜5,000円くらいが相場です。専門性の高い仕事でなければ、客単価は決して高くありません。
しかし単価が低い分、経費を抑えられるのも便利屋の特徴です!交通費は別途でもらう形にすれば、売上から差し引かなくてもOK。
消耗品、雑費は確かにかかるものの、意外に必要な道具は多くありません。草刈りはカマさえあればできます。引っ越しの手伝いや買い物代行も体ひとつあれば受けられるので、コストがかかりません。



コストが低い分、客単価の低い雑務でも数をこなせば意外に稼げます!
集客が難しい
便利屋を始めるにあたり、最も頭を悩ませるのが集客です。特に開業当初は知名度も信用もゼロからのスタート。安定的に仕事を得るまでには、相当な時間と労力が必要です。口コミや紹介に頼る方法もありますが、開業したてでは難しいでしょう。



最初のお客さんをどうやって見つけるか、開業前に戦略を立てておきましょう!
リピーターを獲得しにくい
便利屋の仕事には単発の作業が多いため、リピーターを獲得するのは困難です。例えば蜂の巣駆除や引っ越し手伝いは、一度完了すればしばらく依頼が発生しません。
便利屋として安定した収入を得るには、継続的なサービス内容をつくる必要があります。継続的なサービスには、定額制の庭の手入れや見守りサービスなどがあります。サービス内容を考える際は、サービスの継続も考慮にいれて検討しましょう。
また、常に新規のお客さんを獲得する工夫も大切。チラシやホームページのほか、既存のお客さんに口コミや紹介を頼んでもいいでしょう。
業務の範囲が幅広い
便利屋の仕事は、明確な範囲の線引きがありません。依頼内容は家具の移動からPC設定、話し相手、雪かき、害虫駆除まで多岐にわたります。
様々な依頼に対応するために、必要な道具や資格、技術が必要です。便利屋として一通りの依頼をこなせるようになるまでには、コストと時間がかかります。
また、全ての業務に対して、専門家と同レベルの対応をするのは難しいでしょう。特定の知識や技術が求められる際に、中途半端な対応しかできないリスクがあります。
専門性を出しにくい
便利屋の仕事自体に専門性はありません。例えば水漏れの修理=水道業者、エアコンの設置=電気工事士の仕事というイメージが強いでしょう。専門的な技術を持つ競合他社と比較された際、こちらに信頼がなければ依頼してもらえません。
結果として専門性の高い高単価の仕事に繋がりにくく、来るのは低単価の雑務ばかり…ということも。便利屋は、「この分野なら任せて安心」という信頼感や権威性を出しにくい仕事です。生き残るには、便利屋の看板とは別に「何に強いのか」を明確にする必要があります。
ネットで専門家や解決策が簡単に見つかる
便利屋に頼んでいたような仕事は、自分で解決するか専門家にコンタクトを取って解決できるようになりました。例えば家具の組み立て方を調べればYouTubeで詳細な手順動画が見つかり、害虫を駆除したければ専門業者や駆除方法がすぐに見つかります。
よって便利屋に依頼される仕事は、
- 自分では解決できなかったもの
- 緊急性が高いもの
- 非常に手間がかかるもの
に偏っています。



便利屋を始めるには、難しい仕事にも対応しなければいけません!
便利屋のポータルサイトが少ない
リフォームや引越し、ハウスクリーニングなどには、大手企業が運営する比較・一括見積もりポータルサイトがあります。
これらのポータルサイトはすでに信頼を得ており、多くのお客さんに利用されています。新しく開業した事業者にとっても、ポータルサイトは集客に役立つルートです。
一方、「便利屋」というサービスは括りが広すぎるため、便利屋に特化した全国規模のポータルサイトは多くありません。地域情報サイトやクラウドソーシングサイトを使う方法もありますが、これらのサイトでは専門性が埋もれてしまい、価格競争になりがちです。
便利屋には集客のメインルートに乏しいため、開業した人は自力で広告宣伝やWebマーケティングを行う必要があります。
フランチャイズに加盟すると、ロイヤリティがかかる
FCとは、集客ノウハウやブランド力を提供する代わりに、ロイヤリティを受け取るシステムのことです。「便利屋」は個人で開業するほか、フランチャイズ(FC)で始める選択肢もあります。
FCに加盟することで、集客ノウハウやブランド力、研修制度といったサポートを受けられます。しかしその対価として、毎月固定でロイヤリティを本部に支払う必要があります。
開業初期や仕事量が少ない時期でも、このロイヤリティの支払いは免除されません。客単価が低い便利屋ビジネスにおいて、ロイヤリティは経営を圧迫する大きな原因になります。



FCの看板に頼りすぎるのではなく、自身の収支計画をしっかり立てましょう!
田舎で営業しており、見込み客が少ない
便利屋ビジネスは地域密着型です。ビジネスを続けるには、地域にどれだけの「見込み客(潜在的な依頼者)」がいるかが生命線となります。田舎で便利屋を開業すると、次のようなリスクがあります。
- 人口密度が低く、依頼の絶対数が圧倒的に不足しがち
- 評判がすぐに広がりやすいため、一度でも不手際があるとすぐに仕事が途絶えてしまう
- 都市部と比べて、インターネットを通じた集客も効果が出にくい
- 車での移動時間ばかりが長くなり、効率的に稼働できない
都市部やベッドタウンであれば、高齢者世帯や共働き世帯が多く、人手が足りないというニーズが常に存在します。



開業する際はあらかじめ、ビジネスを展開する場所もよく吟味しましょう!
便利屋で成功するコツ
便利屋が「やめとけ」と言われる理由を踏まえて、成功するポイントを5つ解説します。
- 資格・技術を取得して専門性を身につける
- 地域のニーズを知り、ターゲットを考える
- 割引、キャンペーンを実施する
- 強みを活かして高単価のサービスを展開する
- ホームページ、SNSで集客する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
資格・技術を取得して専門性を身につける
便利屋の依頼は雑務が多く、競合も多い仕事です。専門性がなければ、低単価の仕事ばかりこなさなければいけません。
専門の資格・技術は、高単価の仕事を得るために役立ちます。例えば、電気工事士や遺品整理士、古物商、ハウスクリーニングアドバイザーなどの資格や技術があるとサービス内容も広がります。ただの便利屋では、薄利多売になってしまいがち。



「専門知識を持つプロ」としてお客さんの信頼を得られれば、価格交渉も有利に進められます!
地域のニーズを知り、ターゲットを考える
地域のニーズを徹底的にリサーチし、ターゲットを絞り込むことが集客の鍵です。
例えば、高齢者の一人暮らしが多い地域であれば、「見守りサービス」や「介護保険外の生活支援」に特化します。共働きファミリーが多い地域であれば、「共働き家庭向け家事代行」「土日限定の庭仕事代行」に特化すると集客につながります。
便利屋を開業するなら、まず最初にターゲット層を設定しましょう!ターゲット層が抱える具体的な悩みにピンポイントでアプローチすることで、「この地域で困ったら、この便利屋」というブランドを確立できます。ターゲット層を絞ることで、口コミや紹介も狙いやすくなります。
割引、キャンペーンを実施する
開業初期や仕事が少ない時期には、割引やキャンペーンを戦略的に活用して、まず「試してもらう」きっかけを作ることが重要です。
割引・キャンペーンの例
- 初回限定30%オフ
- チラシ持参で1時間延長無料
- 家電、車両の無料点検キャンペーン
- 友達紹介キャンペーン など
ここで重要なのは、リピートにつながる仕組みを同時に用意することです。利用してくれたお客さんに、次回利用時に使えるクーポンや定期プランを提供すると、単発の依頼から継続的な依頼へつなげられます。



キャンペーンをSNSや地域限定のチラシで積極的に発信すれば、効率的に知名度を上げて口コミのきっかけを作ることも期待できます!
強みを活かして高単価のサービスを展開する
自分が持っているスキルや経験を活かして専門性の高いサービスを軸に据えると、単価アップにつながります。例えば前職でデザイナーだったなら「店舗の小さな内装リフォーム代行」、システムエンジニアだったなら「高齢者向けのPC・スマホ設定サービス」など、専門スキルを「便利屋メニュー」として提供します。



今までの経歴や技術が、お客さんからの信頼を得るきっかけになります!
専門性の高い高単価サービスは、提供できる業者が限られるため価格競争を避けられます。低単価の作業も入り口として残しつつも、利益の柱となる高単価サービスを考えましょう。
ホームページ、SNSで集客する
現代において、安定した集客にはデジタルチャネルの活用が必須です。ホームページを開設し、「〇〇市 便利屋 」のように「◯◯区+サービス名」で検索上位を狙うSEO対策を施しましょう。専門的なスキルや地域密着の強みを明確に打ち出せれば、お客さんから問い合わせをもらえるチャンスもあります!
また、InstagramやX(旧Twitter)、LINE公式アカウントなどのSNSを活用して、仕事のビフォーアフター写真、お客様の声、提供しているサービス内容を定期的に発信します。



SNS発信は、顔やサービス名を覚えてもらえるような親しみやすさがポイントです!
特に地域密着のSNS発信は、顔が見える安心感を与えられます。
便利屋に関するQ&A
便利屋に関する質問について、よくある質問と回答をまとめました。
便利屋は儲かりますか?
戦略次第で儲けられますが、簡単な道のりではありません。 参入障壁が低いため、何も考えずに始めると低単価の仕事ばかりになってしまいます。



時給換算するとアルバイト以下になる場合も…。
独自の強みを活かして高単価のサービスを展開すれば稼げるチャンスはあります。
便利屋は誰でもできますか?
開業自体に特別な資格は不要ですが、成功するためにはコミュニケーション能力と経営スキルが問われます。便利屋はお客さんのさまざまなニーズを汲み取り、納得のいくサービスを提供する必要があります。コミュニケーションが十分に取れなければお客さんの信頼を得られず、最悪の場合トラブルにもなりかねません。
また、ターゲット層の分析やサービスの価格設定には経営スキルが求められます。



誰でも始められますが、経営を続けるのは簡単ではありません!
便利屋は1時間いくらくらい稼げますか?
便利屋の一般的な相場は、作業員1名あたり1時間3,000円〜5,000円程度です。ここから交通費、ガソリン代、道具代、広告費等のコストを差し引きます。
まとめ|便利屋でも成功は目指せる
便利屋は競合も多く、薄利多売になりやすい仕事です。闇雲に始めても、競合に埋もれてしまいます。成功するにはターゲット層の分析と高単価サービスの開発、そして集客が大切。便利屋は大変な仕事ですが、同時に地域に住む人の力になれるやりがいのある仕事です。



この記事を参考に、あなたの強みを活かせる便利屋を考えてみましょう!





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