便利屋の開業を考えている方にとって、将来性は気になるところでしょう。便利屋は将来性がある仕事で、市場規模は1兆円と言われており、年々拡大しています。
便利屋のニーズが増えている背景には、高齢化や共働き世帯など社会の変化があります。現代人の「困った!」を解決する便利屋の仕事は、今後も社会から強く求められるでしょう。

この記事では、便利屋は「将来性がある」といえる理由と、お客さんが絶えない便利屋になる方法について解説します。
便利屋は「将来性がある」といえる4つの理由
便利屋が「将来性がある」といえる理由は、次の4つです。
- 高齢化社会になり、人手が不足するから
- 共働き世帯が増え、手伝いが必要とされているから
- 核家族化が進み、地域のつながりが薄れているから
- AIが取って代わりにくい仕事だから
それぞれの理由について解説します。
高齢化社会になり、人手が不足するから
日本は高齢化が進んでおり、これは便利屋のニーズを押し上げる最大の要因のひとつです。
2024年10月1日時点で、65歳以上の人口は総人口に対して29.3%を占めています。今後も高齢者の割合は増えていく見込みです。
次のグラフは、一人暮らしの高齢者が生活の中で困っていることをまとめたものです。


画像出典:平成28年版厚生労働白書-人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-|厚生労働省
グラフを見ると、家の中の修理や電球の交換、部屋の模様替えに4割超の高齢者が困っています。高齢者世帯が自分たちの力だけで生活するのが難しいことがわかるでしょう。



困りごとの中には、便利屋がサポートできそうな行動が多く見られます!
今後もさらにサポートが必要な層が増え続けるため、便利屋の需要は今後も確実に増加していくでしょう。
(参考)高齢化の状況|内閣府ホームページ
共働き世帯が増え、手伝いが必要とされているから
共働き世帯の増加も、便利屋の将来性を確固たるものにしています。共働き世帯は年々増加しており、2022年時点では全体の約7割が共働き世帯です。


画像出典:図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移|厚生労働省
特に20代後半から30代前半の働き盛り世代では、時間的なゆとりが少なくなっています。
共働き世帯は忙しいため、日常の雑務をアウトソーシングして時間を節約したいというニーズを持っています。便利屋は子どもの送迎や家事代行を通して共働き世帯のサポートを行い、現代の忙しい共働き夫婦に不可欠な存在となるでしょう。
(参考)図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移|厚生労働省
核家族化が進み、地域のつながりが薄れているから
現代社会では、核家族化や地域のつながりの希薄化が見られています。マンション暮らしの増加や都市部への人口集中も相まって、気軽に助けを求められる関係性が近年は少なくなりました。
かつては近隣住民や親戚同士で担っていた作業を、外部のサービスに頼らざるを得ない状況が生まれています。そのため、ちょっとした電球交換や粗大ゴミの運び出しといった、身近なサポートをしてくれる存在が求められています。
便利屋は社会的なコミュニティの隙間を埋め、重要なサービスインフラとして機能していくでしょう。
AIが取って代わりにくい仕事だから
近年はAI(人工知能)が発展し、多くの仕事が将来AIに代替されると言われています。しかし便利屋はAIに取って代わられにくい仕事なので、将来もなくなることはありません。
便利屋の仕事は、依頼内容が多岐にわたり、その場で状況に合わせた判断が必要です。例えば、依頼者の感情に寄り添った話し相手や複雑な状況判断が必要なゴミの片付け、依頼者ごとに異なるニーズに合わせた柔軟な対応には、人間のコミュニケーション能力や機転が不可欠です。
便利屋という仕事は、AIが進化しても長く存続していく将来性の高いビジネスモデルだと言えるでしょう。
お客さんの絶えない便利屋になるための5つのポイント
便利屋には将来性がありますが、人気のある便利屋になるためには集客に工夫が必要です。
お客さんの絶えない便利屋になるためのポイントを5つ解説します。
- ターゲットを明確にする
- 地域の人たちに覚えてもらい、信頼をつくる
- あらゆるメディアを使って宣伝する
- リピーターを狙った施策を打つ
- メニュー、料金を定期的に見直す



便利屋は差別化しにくいため、ただ開業しただけでは仕事は来ません。ポイントをおさえた集客が大事です!
ターゲットを明確にする
お客さんの絶えない便利屋になるためには、ペルソナ(ターゲット顧客像)を明確にすることが最初のステップです。例えば、「高齢者の一人暮らしのサポートに特化する」「共働きで忙しい子育て世代の家事代行に強みを持つ」「地方自治体と連携して空き家管理の専門家になる」など、提供するサービスの軸を定めることが重要です。
ターゲットを絞り込むことで、その層が抱える深い悩みを理解し、競合他社にはない専門的なサービスを提供できるようになります。
地域の人たちに覚えてもらい、信頼をつくる
便利屋は基本的に地域密着型のビジネスであり、地道な信頼構築こそが成功の鍵を握ります。地元の活動に参加したり、地域の掲示板にチラシを貼ったり、顔の見える活動を積極的に行いましょう。
依頼主が不安を抱かないように顔と名前を覚えてもらうこと、「あの人に頼めば安心だ」という信頼感を積み重ねることが、リピートや口コミを増やす最も確実な方法となります。
あらゆるメディアを使って宣伝する
お客さんの絶えない便利屋を目指すなら、インターネットとアナログの両面からあらゆるメディアを使って宣伝しましょう。
例えば高齢者向けには新聞の折り込みチラシや地域コミュニティ誌の活用、若年層・共働き世帯向けにはSNSでの作業事例の発信、ホームページでの情報提供などが必要です。また、地域によってはLINE公式アカウントを活用した問い合わせ窓口の開設も効果的です。
リピーターを狙った施策を打つ
新規顧客の獲得には高いコストがかかります。よって一度利用してくれたお客さんをリピーターにすることが、安定経営には不可欠です。単に指示された作業を完了させるだけでなく、「また頼みたい」と思わせる仕組みを作りましょう。
リピーターを狙った施策の例
- 作業後にサンキューレターを送る
- 定期的なハウスクリーニングや庭の手入れが必要なお客さんにサブスクリプション型のプランを提案する
- 2回目以降の利用で割引するクーポンを渡す
顧客一人ひとりの依頼履歴を管理し、「前回はこうでしたよね」とパーソナライズされた会話ができるようになれば、お客さんと強い関係性を構築できます。
メニュー、料金を定期的に見直す
市場のニーズは常に変化しています。季節や社会情勢に合わせて、ニーズの高いサービスを期間限定で打ち出す柔軟性が必要です。
サービスの例
- インフルエンザ流行期の除菌サービス
- 夏のエアコンクリーニング
- 年末の大掃除に合わせた清掃サービス
また、競合他社の料金を定期的にチェックしながら価格設定の見直しも定期的に行いましょう。
料金が安すぎると「質が悪いのでは?」と疑われ、高すぎると依頼されなくなってしまいます。料金を明確に提示し、お客さんが納得できるだけのサービスを提供すれば、価値で選ばれる便利屋になれます。
まとめ|便利屋は将来性のある仕事
便利屋は社会の変化によって、今後もますます需要が見込まれる仕事です。
便利屋として成功するには高齢者、子育て世帯のようにターゲットを明確化し、サービス内容、料金を明確にするといいですね。集客を工夫すれば、便利屋として成功することは十分に可能です。



この記事を参考にして、地域の役に立つ便利屋を目指しましょう!





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