高齢者向けの便利屋を開業するには？集客のコツと注意点を解説！

便利屋とは、電球の交換や家事代行など人々の生活をサポートする仕事です。核家族化が進む現代、高齢者の生活をサポートする便利屋の需要は急増しています。高齢者をターゲットにした便利屋は、現代のニーズに合ったサービスと言えるでしょう。

この記事では、高齢者向け便利屋の開業で押さえておくべき運営のコツや効果的な集客方法を詳しく解説します。

高齢者向けの便利屋には需要がある

高齢者向けの便利屋には需要があり、今後も必要とされる見込みがあります。高齢者の人口は、年々増加しています。2024年10月1日時点で、65歳以上の人口は総人口に対して29.3%を占めています。次のグラフは、一人暮らしの高齢者が生活の中で困っていることをまとめたものです。

画像出典：平成28年版厚生労働白書－人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える－｜厚生労働省

グラフを見ると、家の中の修理や電球の交換、部屋の模様替えに4割超の高齢者が困っています。高齢者世帯が自分たちの力だけで生活するのが難しいことがわかるでしょう。

サポートが必要な高齢者は今後も増加するため、高齢者の生活をサポートする便利屋は、将来性のある仕事と言えます。

（参考）高齢化の状況｜内閣府ホームページ

高齢者向けの便利屋を開業するには？運営のコツ5点

高齢者向けの便利屋を開業・運営するコツを5点解説します。

高齢者の多い地域で開業する

便利屋ビジネスの成功は、ターゲットとなる顧客へのアクセスしやすさが重要です。いくら高齢者向けの優れたサービスを展開しても、潜在顧客が少なければ集客にはつながりません。

地域の特徴を見極め、需要があることを確認してから開業しましょう。

例えば、昔ながらの住宅地や郊外の団地、医療機関や介護施設が集中しているエリアなどは、潜在顧客が多いと予想されます。事前に地域の人口統計データを調べたり、実際に足を運んで街の様子を観察しましょう。

地域のニーズに特化したサービスを展開すれば、競合との差別化を図ることも可能になります。

高齢者に向けた集客方法を考える

高齢者層への集客では、Web広告やSNSといったデジタルな手法よりも、アナログなアプローチが効果を発揮しやすい傾向があります。

例えば地域の自治体や社会福祉協議会、掲示板を使う方法があります。手書き風のチラシを近隣にポスティングするのも、親近感を持ってもらうのに効果的です。

高齢者に需要のあるサービスを展開する

高齢者向けの便利屋を開業するには、ターゲットが本当に困っていること、自分たちでは難しいことに焦点を当てたサービスをメニューの中心に据える必要があります。

例えば、重い荷物の運搬や、電球交換などの高所作業、足腰に負担がかかる家事の代行などは需要が高いでしょう。

また、単発の依頼だけでなく、定期的な訪問による安否確認を兼ねた見守りサービスも、離れて暮らす家族からのニーズが高い傾向にあります。

サービス内容を決めるときは、競合他社のメニューを参考にしつつ、自分の得意分野や提供できる価値を明確にすることが大切です。

地域のコミュニティに参加する

地域密着型のビジネスである便利屋にとって、地域との繋がりは信頼性を高める上で非常に重要です。自治体やNPO、ボランティア活動、地域のイベントなどに積極的に参加して、顔と名前を覚えてもらいましょう。

地域活動を通じて、あなたの人柄や誠実さが伝われば、「あの人なら安心して頼める」という信頼感が生まれます。

お得意先をつくり、リピーターを狙う

便利屋ビジネスにおいて、安定的な収益を確保するためには、一度利用してくれたお客さんにリピーターになってもらうことも大切です。

作業後のフォローアップの連絡を入れたり、定期的な安否確認を兼ねたちょっとした声かけをしたりするのも、信頼関係を深めるのに効果的です。特に高齢者は、気に入った業者を長く利用する傾向があります。

月額制の見守りサービスや定期的な家事代行など、リピートしやすいサービス体系を提案するといいでしょう。

高齢者向けの便利屋で需要のあるサービス5選

高齢者向けの便利屋で集客するには、ターゲットに需要のありそうなサービスを展開する必要があります。高齢者向けのサービスについて、例を5つ紹介します。

電球交換

電球交換は、高齢者にとって高所での作業となり、転倒のリスクが非常に高い作業のひとつです。特に、脚立を使った作業は危険を伴うため、高齢者の多くは自分で行うことをためらいます。

電球交換は所要時間も短く、比較的簡単な作業です。その代わり単価も低いため、電球交換だけでは十分な売上につながりません。電球交換は信頼をつくるきっかけや、リピーター獲得の足がかりにピッタリの作業です。

家事、買い物の代行

身体的な衰えや病気によって、日常の家事や重い荷物を持つ買い物が困難になる高齢者は多いでしょう。具体的には、掃除、洗濯、料理、重いペットボトルの購入などが挙げられます。

家事や買い物は、生活上欠かせない作業です。サービスに満足してもらえれば定期的な依頼につながり、リピーターを増やせるチャンスを得られます。

見守りサービス

見守りサービスは、高齢者と離れて暮らす家族から高いニーズがあります。定期的に訪問して安否確認を行うだけでなく、健康状態や様子の変化を家族に報告する役割も持っています。

このサービスは家族だけでなく、高齢者にとっても孤独感を減らす話し相手としての役割を持ちます。専門的な資格は必要ありませんが、高齢者や家族と打ち解けるコミュニケーション能力が必要です。

サービス提供の際には、プライバシーの尊重と守秘義務の徹底が信頼の基盤となるから、プロフェッショナルとしての意識を持つことが大切です。

緊急時の対応フローなどを明確にしておくと、利用者とその家族の安心感につながります。

引っ越し作業などの力仕事

大掛かりな模様替えや、施設入居に伴う小規模な引っ越しなど、高齢者にとっては体力が必要な作業全般も需要が高いです。身一つあればできるので、便利屋にとって狙い目のサービスといえるでしょう。

大きな家具の組み立て・解体なども、自分で行うのが難しい作業として、セットで依頼されることが多いサービスです。

また、便利屋は引っ越し作業だけでなく遺品整理や生前整理といったデリケートな作業を依頼されるケースもあります。これらの仕事には体力だけでなく、依頼者の心情に寄り添った対応が求められます。

庭の手入れ

庭の手入れは体に負担が大きいため、作業を手伝えるサービスには高齢者から需要があります。

雑草取りや庭木の剪定は、中腰での作業が多く、身体への負担が大きい傾向があります。特に庭木が高くなると、手入れは高所作業になります。業者に頼むしかないと諦めている高齢者も多いでしょう。

まとめ｜高齢者向けの便利屋は、今後も需要があるサービス

高齢化社会という背景を考えると、この便利屋ビジネスは今後も高い需要が続く、将来性のある分野だといえます。

成功の鍵は、高齢者のニーズを深く理解し、地域に根差した信頼関係を築くことです。そのためにはインターネット上の集客だけでなく、ポスティングやコミュニティなどアナログな方法も併用するといいでしょう。